29才のある日

夜中の仕事帰りの出来事。泥酔してた兄ちゃんが、車道に倒れてた。片側2車線の夜でも比較的交通量のある道で、信号の関係上、車が流れてるときは次々に流れ、そうでないときはしばらく車は来ない。毎週のようにそこでタクシー捕まえてるから、車の流れかたは完璧に把握してる。しかも橋の下りに差し掛かるところだったから、車からは気付きにくいし、こちらからも車のライトは見えないから、車がこっちに向かってきてるかは分からない。
何人かの大人が、遠巻きに(といっても、100mぐらい離れて)眺めてたけど、俺を含めて誰も助けるそぶりを見せないでいたら、案の定タクシーが来て、急ブレーキにて回避。後続車が続くことは分かりきっていたのでさすがにヤバいと思い、ダッシュで駆けつけて歩道に引きずりだそうとしたけど、重い。まあ、後続車もタクシーの急ブレーキで速度を落としてくれたらしく、無事に引っ張り出せたけど。
で、人助けしたことが書きたかった訳じゃなく、轢かれるって分かっていながら他人ごととして放置してた自分を、そして俺がいたあの場所にもう少し人がいたら絶対に動かなかった自分を、さらにその人が車に轢かれたらきっと後味の悪さを覚えつつも、酒のつまみにしてる自分を、走り出す直前に想像して始めて走り出していた自分に、今気づいてしまったことを書きたかった。
ツマラナイ大人になってしまったよ。でも、今飲んでいる酒は美味い。