テレワーク(3)

昨今のコロナ状況により、いよいよ会社側からも強めの要請が出ました。 さて、テレワークにおいてセキュリティとコミュニケーションは重要で、自分も端末はシンクラ+VDI、コミュニケーションはTeamsとTFSを利用しています。

特にこの1ヶ月間、大掛かりにテレワークを行ってきて、マネージャー目線で感じているテレワークによる困りごとを書いてみました。 なお、チーム内のコミュニケーションは、なんとかなってるように見えるし、まだ顕在化してないだけかもしれないので、この観点は省きます。

1つ目は、社員の顔が見えないこと。

コミュニケーションは取れるものの、やはり1日1回は生の声を聞いたり直接表情を見ないと、体調は良さそうか悪そうか、仕事に前向きになってるかネガティブになってるか、困りごとがありそうかなさそうか、などなど、対面でないと分からない情報が得られづらい。 細かく進捗を聞いても良いが、対面であれば5分で終わるコミュニケーションが、社員にレポートを求めることになってしまうため、彼らの生産性が下がってしまう。 もっとも、彼らからしてみれば、無駄に話しかけられなくて済むという話もあるかもしれない。

2つ目は、現場で何が起こってるか分からないこと。

プロジェクトで何らかの技術的問題が発生すると、たいてい技術系メンバを率いる私のチームに相談が来る。なので、他チームの誰が居室に来て、自チームの誰と話しているかを気にするだけで、メールとか、チャットとかを見なくても、だいたい、どのような問題が起きているかが想像できる。 これが、色々と分からなくなる。 そのため、自身が迅速に動かなければいけないときでも、着手がどうしても遅くなってしまう。

3つ目は、テレワークにすると生産性が極端に落ちてしまう人も居ること。

個人の能力に依存する問題もあれば、家庭環境(子供が邪魔するとか)によりテレワークが実施的に行えなかったりする人もいる。 個人の能力に関するところは、正直、諦めてます。人によってはテレワークにより生産性が上がるため、その人にタスクアサインすることで回避しています。これは、結局職場でも、他の人に頼り切りにならないと仕事ができないわけですから、その人ができているレベルの仕事であれば、他の人ならそれほど苦もなく進められるので、ここは気にしないようにして、割り切っています。 問題は、職場だと生産性が高く、家だと家庭環境の問題で生産性が低くなってしまう人、すなわち、家だと仕事にならない、という人たちです。正直、チームの生産性が落ちるため、私としては大問題です。

1つ目と2つ目の問題に対しては、地味ですが、

  • これまでExcelやらMS Projectで管理していた内容の多くをTFSに移行することで、成果物や検討状況は、なるべくTFSのワークアイテムに残してもらう
  • 社員については、面倒でも、メンバ間の情報共有も兼ねて、終業時に簡単な日報(3~5行程度)をチャットに書いてもらう
  • 打ち合わせがないときは、1日1回、5分程度、社員や各社リーダー層の都合の良いタイミングで、電話やボイチャを貰うようにする

ということを行って、対応しようとしています。

3つ目の問題は、まだ対策ができていませんが、優秀な人に生産性を落としてもらうわけにはいかないので、特別対応ということで、そういうメンバの家の近くに小さな貸しオフィスや貸し会議室のようなものを、借りてしまうことも考えています。(お金の問題はありますが・・・)

次に、テレワーク組と出社組が同時に参加するオンライン会議についてです。 これは、ノウハウが必要ですが、もし、決定権を持つ人が居る会議であれば(進捗会議だったり)、その決定権を持つ人がテレワークでないと、大抵、うまくいきません。なぜなら、出社組の中で議論が進んでしまって、テレワーク組が置いてけぼりを食らうからです。これは、寂しいです。

最後に、テレワーク主体にしたときに管理職要らなくね?説についてです。 たまにネットで見かける意見ですが、テレワーク主体にすると、管理職の仕事っていうか、管理職ができることが結構減るんですよね。 自分も、労働時間が4割ぐらいに劇的に削減されます。自分の仕事を観察したときに気づいたことですが、

  • 頻繁に話しかけられない、余計な打ち合わせに出なくて済む (更に言うと、オンライン会議って、なぜかいつもより早く終る気がしてます)
  • 労働時間の管理が簡略化される (開始・終了がチャットに書かれるので、早く帰れコールのために職場に残らなくて済むようになる)
  • 些細なことに口を出さなくなる (色々と気づかなくなるので)
  • 仕事の進みが悪い社員に対する諦めがつく (翌日にしか仕事の進みと出来不出来が分からなくなるので・・・)
  • そもそも雑談が減る (目の前に社員が居なくなるので)

という感じになってました。普段、どれだけ~と思います。

代わりに、空いた時間で何してるかというと、仕事の進み具合と仕上がりの確認ばかりやってます。

特に、今回を機に仕事のやり方を見直したせいか、どこに何があるのかが一目瞭然となり、レビュー時間等をあえて作らずとも、メンバの成果物の出来が翌日には確認できて、気になるところを本人にフィードバックできるところが良いです。正直、今まで如何に無駄な仕事をしていたかが良く分かりました。 また、対面でレビューしてしまうと、感情的になってしまう私の悪い癖も、チャットやワークアイテムに対するコメントという形で文章に書くと、感情的にならなくて済む感じが、なお良いです。

さらに、メンバ自身も割り込まれることが減って集中して成果物を作るためか、ベースラインの品質も上がっているのを実感します。

ITの会社にいて、いっちょ前にエンジニア&マネージャーを気取ってましたが、全くITが活用できていなかったことに、心底恥ずかしいと感じたのが、このテレワークの期間でした。

なお、私のチームは、色々と変わろうとして、変わりつつありますが、私から上のレポートラインは、何一つ変わっていないため、パワーポイントとエクセルの進捗資料と、毎週のテキストベースのメール週報が残り続けています。 なので、今週、ある程度の仕込みが出来たので、来週の進捗資料からは、私の管理画面に飛ぶURLだけ貼り付けてやろうと画策しています。

あとは、ついnetflixを見たくなる衝動をどうにかしたい。