素人のように考え、玄人として実行する

ISBN:456962457X
ずいぶんと前(インターン中)に買った本だけど、今頃読了。というより、すっかり存在を忘れていた。まあ、かなり斜め読みをしたから、もう少し読み深めたいかなと思う。あっさりした文体で書かれているので、すんなりと読めてしまうが、内容は十分に濃いと思う。
内容についてどうこう言うのはおこがましいから、一言だけ感想を書くとすると、「この時期に読めてよかった」です。どういうことかというと、私はいま、大学院に入り、自分の研究テーマを具体的に決めて、そこに走り出そうとしてるけど、その第一歩がなかなか踏み出せないという状況です。そんな私に、その第一歩を踏み出す勇気を与えてくれたということです。そして、走っているときに注意をしなければならない事を教えてくれたということです。
たとえば、”12.アイディアは「人に話して」で発展する”なんていう項目です。昨年までの自分は、アイディアはみみっちく隠すようにしてました。で、それが最近は話したもん勝ち、宣言したもの勝ち、と自分に言い聞かせて、少しでも面白そうなアイディアを思いつくと、なるべく人に聞いてもらうようにしています。でも、やっぱり人に盗られないかが不安になります。しかし、この本では、アイディアを盗られて成果を持っていかれたら、自分が相手に及ばなかっただけだから諦めろと書いています。これを見たときは笑ってしまいました。弱肉強食の非常に単純な理論です。まあ、気に病んでも無駄って言うことなのですかね。
それと、”21.例題を考え、解くことが理解を深める最も良い方法である”なんてのは、私を基本に立ち返らせてくれました。昔は、分からなくなったら基本中の基本に立ち返って、簡単な問題から考え直したものです。しかし、最近は頭の中で抽象的な問題のまま一般解を求めようとし、うまくいかないということが、微妙に多々ありました。特に今の研究テーマについて、そういう傾向が強かったので、走り出す前に基本に立ち戻ることができてよかったです。
まあそんなこんなで、現在の自分を見つめなおすにはちょうど良い本だったと思います。