コンピュータ科学者がめったに語らないこと

ISBN:4434036173
読了。
難しいことは良く分かりませんでしたが、それなりに楽しめました。内容は、コンピュータ科学の神であるクヌース先生の、MITで行われたコンピュータ科学と神学を絡めた講義の講義録です(変な日本語)。まあ、ほとんど宗教話がメインです。残念ながら、私は特に何かを信仰しているわけではないので、向こうの人が感じる信仰および神や運命等そういった物事に対するイメージというのが良く分かりませんでした。おそらく、それが分かると、この本をもっと面白い読み方ができるのだろうと思います。
で、この中で少ないながらに語られているコンピュータ科学の部分は、非常に興味を持っちました。ほとんど語られてはいないけど、コンピュータ科学の考え方について(序論P11ぐらい)、もっと詳しく知りたい。「抽象のレベル間で高いレベルの抽象と低いレベルの抽象をほとんど無意識にすばやくジャンプできる(12ページ4〜5行目引用)」、「ケース1、ケース2、ケース3のように認識される一様でない構造を扱える(12ページ6〜7行目)」と記述されています。正直、これだけを書かれていても実感がわかないので、よくわかりません。例が欲しいです。
しかし、コンピュータ関連の本で、これほど神という単語が頻繁に出てくる本がいままであったかな、という感じです。これが、多神教をベースとする文化と一神教をベースとする文化、そして考え方の違いでしょうか。