他人を信じて仕事を任せる

先週金曜日から、会社の研修を受けている。この研修はいやに力が入っていて、計20日という丸1ヶ月間の長期研修だ。研修だけに6時には終わるものの、まじめにやろうとするとなぜか業務よりも疲労度が高いという、恐ろしい罠が待っている。研修初日の講師の一言、「いままでの研修は全てこの研修のための前座」という意味がよく分かった。それぐらい気を張り詰めなければならない研修ということだ。
で、この研修を受けて学んだことが一つある。それが「他人を信じて仕事を任せる」だ。
いままでは、仕事を任せようとしてもその完成度に不満がありありだったことが多く、嫌悪していた感があった。大学院ではほとんど自分の作業は自分で行っていたし、また現在携わっている部署での業務もほぼ個人作業がメインなので*1、他人と共同作業ということに慣れていなかった。また、出来ることならば自分の力でという思いも強かった。
が、今回の研修では嫌でも共同作業をしなければならない。というか、共同作業を行うことが前提だし、共同作業をしなければそもそも作業が終わらないということで、嫌でもチームメンバに仕事を任せなければならない。そして思った。あれ、仕事を任せることって案外楽しくないか。
今回の研修では幸運なことに、チームメンバに恵まれた。チームは5人。よく知っている二人は信頼が置ける。しかも、そのうちの一人は、3ヶ月前からでは信じられないぐらい出来るようになっていて、大学院の2年間は社会人の3ヶ月という言葉が脳裏に響いた。また以前から知ってはいるが初めて一緒に仕事をする一人は、仕事を一緒に行うことでこいつは凄いと感じた。ほとんどの最終決断を彼に委ねている*2。そして、本当に初対面の最後の一人は、俺の全く知らない世界を知っていて、分業という言葉をまじまじと俺の中に突きつけてくれた。そう考えると、非常にチームメンバに恵まれたと思う。それを考えると、チームメンバに恵まれなかった友人の愚痴などを聞いていると、可哀想だ*3
作業中にふと半年前にクラスの担任の言葉が脳裏によぎった。
「人に仕事を任せられるようにならないといけない」
実はこの言葉がずっと頭の中から離れなくて、悩んだ時期もある。ましてや、今の業務に対する先行きの不安や自分のスキルの身に付き具合が絡み合って、何が悩みなのか分からなくなり、脳内ぐちゃぐちゃ、精神ふらふらな状態だった時期もあり、同期に愚痴を聞いてもらいつつ、慰めてもらってた時期もあったりする。
で、研修に入るときも実は不安だった。周りは、俺と同じチームになれば楽が出来るという。そんな実力があるわけもなく、周りは軽い気持ちで言ってるんだろうけど、それが凄いプレッシャーだったりする。しかも、苦手な共同作業をしなければならないときたら、もう、お先真っ暗。個人作業は得意でも、共同作業はどうも苦手。唯一の救いは、定時に帰れるということぐらい。
でも、いざ始まってしまうと、共同作業が非常に楽しいものだと感じてしまった。アクセルしか踏もうとしない俺に対しキチンとブレーキをかけてくれるメンバもいれば、周りが見えなくなった俺に水をかけて目を覚まさせてくれるメンバもいれば、道に迷ったときに何気なくサポートに回ってくれるメンバもいて、また、スケジューリングなど苦手なことを考えなくても済むだけに自分の得意とする分野で思う存分力を発揮することができる。*4
それで思った。担任の「人に仕事を任せられるようにならないといけない」という言葉は、「他人を信頼しろ」ということではないか。26にもなって、いまさらこんな当たり前のことに気づき、実践できていない自分がいるが、12月には管理という仕事もやらなければならなくなる可能性があることを考えると、なんとかこの研修中に、「他人を信じて仕事を任せる」というスキルを身につけたいと思う、そんな今日この頃。

*1:方式系で、しかもチームのメンバがトレーナと俺を合わせて二人しかいない立ち上がったばかりのプロジェクトorz

*2:俺が最終決断を委ねるのは、本当に信頼している人か、興味関心のない問題に対する最終決断かのどちらか。今回の研修で後者はありえない。

*3:決してチームメンバが良くないという意味ではない。あくまで相性が合わないということ

*4:こう書くと、迷惑しかかけてないな、俺orz